インターネット異性紹介事業の始め方【出会い系サイト・マッチングアプリ】

我々の世代はマッチングアプリと言われてもピンとこないですし、そもそも出会い系サイトとマッチングアプリの違いって何なのか?それもよく分かっていないことが多いです。

その他にも婚活サイトだったり婚活アプリ、マッチングサイト・・・色々な名前がありますが、実際のところ名前の違いはあってもインターネットを通じて異性が出会うという点では共通します。

各サイトの違いはその名称にあるわけではなくて、その目的にあると思います。結婚相手を探すためなのか、恋人を探すためなのか、それともひと時だけ一緒に過ごせる相手を探すのか?ということです。

そんなインターネットを通じて異性と出会う場を提供するサイトを運営するために必要な手続きがあります。これをインターネット異性紹介事業の事業開始届出と言います。

目次

インターネット異性紹介事業の定義

スナックやガールズバー等でもそうでしたが、インターネット異性紹介事業に関しても、その名前に関わらず、どういった営業をするのか?という点がポイントになります。

まずは、やろうとしている事業がインターネット異性紹介事業の事業開始届が必要なのかどうか?の判断から始めていきましょう。

何はともあれ法律上、どう定義されているか?見ていきたいと思います。

異性交際(面識のない異性との交際をいう。以下同じ。)を希望する者(以下「異性交際希望者」という。)の求めに応じ、その異性交際に関する情報をインターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いてこれに伝達し、かつ、当該情報の伝達を受けた異性交際希望者が電子メールその他の電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。以下同じ。)を利用して当該情報に係る異性交際希望者と相互に連絡することができるようにする役務を提供する事業をいう。

インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律第2条

長ったらしくそして小難しく書いてあるので要約しますと【ネットを通じてメール等で面識のない異性が出会い、連絡を取り合えるようにする】事業のことを言います。

そこに目的は関係ありません。ということで、婚活アプリであろうとマッチングアプリであろうと出会い系サイトであろうとインターネット異性紹介事業の事業開始届が必要ということになります。

事業開始の手続き

では、事業を始めるにあたっての手続きについて説明していきます。一番ポイントとなる部分は年齢確認ができる体制作りなので、手続き自体はそれほど難しいものではありません。

手続きに必要な書類

手続きに必要な書類は以下の通りです。個人で始める場合と法人で始める場合で少し違いがあります。

個人の方が事業を始める場合

①住民票の写し(本籍地記載)

※外国人の場合は国籍記載

②身分証明書(市町村役場で発行されるもの)

③誓約書(欠格事由に該当しないこと)

④送信元識別符号付与疎明資料(簡単に言うと、ドメイン(URL)の使用権原の疎明

法人で事業を始める場合

①住民票の写し(法人役員全員のもの)

 本籍地記載、外国人の場合は国籍記載

②定款の謄本

③登記事項証明書

④身分証明書(法人役員全員のもの)

市町村役場で発行されるもの

⑤誓約書(役員全員のもの)

⑥送信元識別符号付与疎明資料

識別符号付与業務(利用者が児童でないことを確認し、IDやパスワードを付与する業務)を他人に委託している場合

委託を受けた者の下記書類が必要です。

<委託を受けた者が個人の場合>

①住民票の写し

②身分証明書

③誓約書

④診断書(アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤中毒者でない医師の診断書)

⑤委託契約書

<委託を受けた者が法人の場合>

①定款の謄本

②身分証明書(法人役員全員と識別符号付与業務従事者全員のもの)

③住民票の写し(法人役員全員と識別符号付与業務従事者全員のもの)

④誓約書(法人役員全員と識別符号付与業務従事者全員のもの)

⑤診断書(法人役員全員と識別符号付与業務従事者全員のもの)

⑥委託契約書

届出の時期と注意点

事業開始届は実際に業務を開始する前日までにしなければいけません。前日まで、ということですから、その他の手続きに比べてかなり緩やかな規制ですよね。

その他に注意するべき点としては1つの事業者が複数のサイトを運営する場合です。例えば、映像送信型性風俗特殊営業の場合は、URLごとに届出が必要でした。しかし、このインターネット異性紹介事業に関しては1つの届出に複数のURLを記載すればいいということになっています。

ちなみに、届出に際しては手数料は不要です。

なお、同性同士の出会いを提供する場合には、インターネット異性紹介事業に該当しませんので届出は不要です。ただし、下記のその他の手続きに該当する可能性がありますので、確認が必要です。

その他の必要な手続き

実はインターネット異性紹介事業を開始するにあたっては警察への届出だけでは足りません。

電気通信事業に該当するため、電気通信事業の届出も併せて必要になります。

電気通信事業の届出に必要な書類

実際のところ電気通信事業の届出の方が面倒です。一般の方にはよくわからない書類がありますね・・・必要な書類は以下の通りです。

①電気通信事業届出書

②ネットワーク構成図

③提供する電気通信役務に関する書類

④定款(写し・原本証明は不要)※届出者が法人の場合

⑤登記事項証明書(省略可)
※届出者が法人の場合

⑥住民票の写し(コピー不可) ※届出者が個人の場合

届出の時期はこちらも事業開始の前日までとなります。

インターネット異性紹介事業の一番のポイント

インターネット異性紹介事業を始めるにあたって一番ポイントとなるのは、届出手続きではなく、年齢確認のシステムをどうするか?というところです。

委託してしまうのが一番ですが、しっかりと年齢確認が担保できるところでないとその責任は事業者に及びかねません。十分注意する必要があります。

手続き代行費用

弊所にて手続きを代行させて頂く場合の費用は以下の通りです。

手続き代行費用
インターネット異性紹介事業事業開始届55,000円
電気通信事業の届出55,000円
インターネット異性紹介事業事業開始届+電気通信事業の届出88,000円
インターネット異性紹介事業変更届33,000円~
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